近所のハト

最寄駅の図書館前には多くのハトが寄り集まっている。それらを見ていると、歩いては地面をつつきしているが、落ち葉のカス溜まりや何か水分のポタと落ちたところ、アスファルトやタイルの溝、それから土の部分などを主につついていて、ふうむ、そこに美味しいものがあるのかと思う。

何度も通っているとだんだん同じハトが来ているんだなと気づく。痩せからデカ、頭の禿げたやつ、片足のやつ、羽が曲がったやつ、白いやつ、たまにドバトでなくキジバトがいる。今日は片足のやつを久し振りにみて、死んでいなかったと嬉しかったが、なんとなく無い足の方の、本来足の付け根に当たる部分が腫れているような気がして心配だった。急いでいてよく見れず写真も撮れなかったが、いつ会えるかわからないのだから、もう少し見ておけばよかった。

3年くらい前、足無しにひとかけら食べ物を投げ去っていったどこか近くの店のおじさんは今もあげているのだろうか。一度だけしか見ていないから、その日だけの気まぐれだったかもしれない。そのことを前に友人2人に話したら、野生のものに手を加えてはいけないんだよぉと言われそうそうと同意されそれ以上話は進まなかった。全てのハトにエサをあげているわけじゃなくて、その足無しにたったひとかけらをやっていただけなんだけどなと思った。歩道の隅で一羽じっとしているそのハトを認識して、仕事の合間にひとかけらやるというおじさんの営みの方の話をしたかった。他の時間におじさんがハトに山盛りのエサをやってハトがどんどん増え困っていたとしても、そうでない場合もあるし、その話をしたいわけではなかった。